ジョイント出版

【背景】

出版不況と言われながらも、日々出版社は新しい書籍を出版している。これはある意味で、それだけ本を出したいと思っている人間が多いということでもある。出版社としては売れる本を出版したいわけであり、それでいてヒットする本を完全に予測できるわけでもない。出版社に相手にされなくても、どうしても売りたくて自費出版をする人も少なくない。

【解決方法】

出版に必要な資金の一部を著作者が負担し、場合によってはクラウドファンディングのように一般から公募する。そのためにコンセプトや作品の一部を一般に公開する。出版社が負担した経費を差し引き、本が売れた利益を出資の割合に応じて分配する。これによって出版社は出版にかかる費用を軽くできる。また一般に公募することで宣伝効果もある。

これは出版物をベンチャー企業のように考え、出版社と一般の出資者がベンチャーキャピタル著作権を債権のように考えている。出資者の中にはヒット作を見抜く目利きのような人が現れるかもしれない。また良質な本を生み出すために積極的に投資するエンジェルのような役割を生むかもしれない。

出資者のメリットは金銭的なリターンを得られることを期待する他に、売れたら自慢ができることである。

【余談】

本アイディアは百田尚樹氏の「夢を売る男」のビジネスモデルを参考にしている。本書では主人公の編集長は悪どい商売をしているというイメージだが、ビジネスモデルとしては有りだと思っている。

夢を売る男 感想 百田 尚樹 - 読書メーター