アラル海に養殖場

【背景】

カザフスタンウズベキスタンのにアラル海という塩湖がある。ここはかつて東北地方と同程度の面積を持った湖だったが、わずか半世紀で10分の1まで干上がってしまった。原因は旧ソ連の無茶な水資源計画であり、20世紀最大の環境破壊と呼ばれている。かつてはアラル海周辺に多くの漁村があったが、ほとんどが離散してしまった。

地球異変・アラル海―20世紀最大の環境破壊:朝日新聞デジタル

現在様々な取り組みにより、アラル海の水面は上昇し、魚も戻ってきたと言われている。しかし元の規模に戻すためにはより大規模な公共投資が必要だが、アラル海周辺国にとってより優先度の高い公共投資は山積みである。またアラル海の回復をするインセンティブとして環境問題以外に経済的な優位性が必要である。特に日本人の立場として、日本政府や日系企業が投資したいと思うような優位性や得意分野を踏まえて考える。

【解決策】

アラル海を巨大な水槽に見立てた養殖場を建設する。近畿大学がマグロの完全養殖に成功したニュースが記憶に新しいように、日本の水産養殖技術は非常に高い。その技術を生かしてアラル海を巨大養殖場にする。もともとアラル海周辺には漁師がたくさんいたように、漁業が盛んだったことがうかがえるが、多くの漁師が離散してしまい、漁業権なども散逸してしまったことが予想される。新たに参入する機会はありそうである。

通常の漁業に比べて、養殖のメリットとして、品質と生産量が安定するここと、高付加価値な製品を選択できることがある。後者はマグロのような高く売れる魚を生産することを意味する。アラル海周辺は砂漠が広がっているため、動物性タンパク質は貴重である。またロシアでも寿司の人気が高まっているため、マグロや鯛の需要が期待できる。

個人的に面白いと思っているのが、チョウザメ、つまりキャビアの養殖である。キャビア世界三大珍味に数えられる高級食材であり、カスピ海(割とアラル海の近く)のものがよく知られている。株式会社フジキンはチョウザメの人工孵化に成功し、宮崎や広島などで飼育されている。なんで日本で、、、という疑問はさておき、この技術を応用すれば、アラル海チョウザメ養殖場ができるかもしれない。

チョウザメ事業|株式会社フジキン

国産キャビア、宮崎の挑戦 チョウザメ養殖、海外へ販路:朝日新聞デジタル