Uberバス
【背景】
地方都市や観光地では、バスは電車以上に重要な交通インフラであるが、実際にはその運営には課題が多い。
乗客が少ないため収益が上がらないため本数は減り、本数が減ればますます乗客が少なくなるという負のスパイラルになる。ときには乗客がいないにも関わらず定時なので運行するときさえある。
また時刻表をインターネットで調べるのは困難なところが多く、経路や時間、発着所を調べるのが難しい。また経路によっては電車や自家用車に比べて長時間かかる場合が少なくない。
【解決策】
Uberを応用したバス予約システムを作る。バス予約をスマホ上で操作できるようにし、目的地と時間を指定する。一定数以上の予約が成立した場合にバスが運行するようにする。また必要に応じてバスの運行ルートも変更できるようにする。
【課題】
電子書籍レンタル
【背景】
出版不況と言われる中、電子書籍の売り上げは年々増加している。一般的に電子書籍は本棚のスペースが不要であるため、保存が容易だと考えられている。しかしデータの所有は法的、物理的には紙の書籍ほど単純ではない。
運営会社が倒産した場合、クラウド上に保存していた電子書籍は読めなくなる可能性がある。また本のデータは他人に貸すことも売却することもできない。
そもそも電子データを大量に保管することにはあまり意味がないのかもしれない。同じ本を2回以上読む機会は少ないし、まして何度も読むほどの価値のある本は少ない。何度も読み返す本なら、紙の本を購入した方がはるかに利便性が高いとも言える。
【解決策】
電子データを期間限定で貸し出し、その期間に電子書籍を閲覧できるようにする。一定期間だけの閲覧となるので、通常の代金の半分以下に設定する。期間の延長や紙の書籍を買いたい場合は追加料金を支払う。
これによって出版社は初版出版の初期費用を抑えることができ、出版収入を回収することができる。また出版社が自社でこのサービスを立ち上げれば、中古市場がなくなり、二次販売に相当する収益も確保することができる。
ちなみにこのアイディアは決して新しいものではなく、電子書籍の図書館による貸し出しサービスが検討されている。しかし電子書籍の図書館は実現が非常に困難であることが予想される。著作権を持つ著者や出版社に了解をとらねばならないため、取引が非常に煩雑になる。そのため電子書籍のラインナップはかなり限られたものになる。技術的にもデータの取り扱いは難しく、現在の司書だけでは対応が難しい。なによりも、図書館自体の存在意義が問われる(ある意味書店以上に)。
日本語のマンガを読むための、日本語学習スクール
【背景】
日本のマンガやアニメは海外でも人気であり、正規版や海賊版に限らず多く流通している。このとき見ているのは英語や中国語などで翻訳されたものだが、なかには日本語の原文を読む外国人もいるらしい。彼らがどのように勉強したかというと、独学で外国語と日本語のマンガとアニメを見比べているらしい。
また一方でマンガやアニメは日本語学習の手段としても注目されている。そして日本人として、日本の文化とか歴史を少し学べば、マンガの世界がより面白くなると思うことがある(というか日本の文化や歴史のパロディは外国人には理解できない部分があるような気がする)
【解決方法】
日本のマンガとアニメを見るための日本語講座を開設する。教材は当然マンガやアニメを使い、よく出る用語や文法を解説する。また現在の作品だけでなく、ちょっと古いマンガも教材にあげて知識を深める。さらに簡単な文化や歴史に関しても説明する。
このビジネスの注意点は、日本人の自己満足的な説明になりそうなことである。やたら古い知識をひけらかすのは滑稽ですらある。また外国人は多様であり笑いのツボや興味の対象が日本人には理解できない可能性があることである。これならいっそ外国人に講師をやってもらった方がいいかもしれない。
タレント派遣サービス
【背景】
スポーツ選手、音楽家、お笑い芸人など、日本には優れた技能を持っている人がたくさんいる。しかしその技能を生かしてプロとして生きていける人間はごく一部である。磨かれたそれらの技能が活かされないのはなんとも残念である。また一流と二流の技能の差は素人にはほとんどわからない。
【解決策】
パーティーやイベントに技能を持ったタレントを呼び、その技能を披露してもらえるサービスを提供する。例えば子供の誕生会に生演奏を弾いてもらったり、部活に特別コーチとして指導してもらったり。タレントは経歴や実績をアップして大体の住所を示せば、招待するための交通費や謝礼が見やすくなる。
タレントにとっては自分の経験や実力を生かして収入が得られ、場合によっては宣伝にもなる。招待者からすると質の高い指導や演奏を受けることができる。
【類似サービス】
少額スポンサー
【背景】
ネット社会では様々な形で著名人や有名人が現れる。また作家やスポーツ選手など様々な角度で注目を浴びる人たちがいる。その一方で彼ら彼女らは必ずしも裕福であるとは限らない。テレビや企業がスポンサーに着いてくれたり、多額の印税が入るのはごく一部のトップだけである。しかし今は無名であっても将来伸びると注目する人や、人気はなくても自分は好き、というニッチな人気を集めている人も少なくない。
彼ら彼女らが金銭的に困窮したり、人気がなくてその道を諦めてしまうのは、ファンにとってさみしいものである。
【解決方法】
個人や小規模な団体でも、数百円、数千円単位の少額からスポンサーを募るシステムを提案する。自分の好きな著名人のスポンサーとなって金銭的に支えるとともに、自分を応援してくれるファンがいることを知らせることで、モチベーションを保ってもらう。今風にいうと期限を設けないクラウドファンディングのようなものである。
出資はインターネットやスマホからできるようにし、出資金額は百円くらいからできるようにする。
このプランの究極的な目標は、著作権を無効にすることである。著作権は現代のインターネット社会に向かない制度であり、電子書籍の流通の大きな妨げとなっている。小学スポンサーによって収益が得られることで、タダでも読んでもらった方がお金が回るようにしたい。
【課題】
このプランにおいては、支払う方法よりも受け取る方法を考案する方が難しいと考えられる。スマホを使えば少額であっても決済は様々な方法でできるが、受け取る方法を確認するのが難しい。銀行口座を明かすのはセキリティのリスクがあり、そもそも本人かどうかを判別することが簡単ではない。例えばペンネームと本名が違ったり、顔写真等も公開していない著名人をどのように判別すれば良いだろう。
【ルール案】
- 出資に当たって、出資者は見返りを求めない(クラウドファンディングや従来の寄付では定期的な報告や特典があったりするが、これがかえって出資を受ける人にとって負担になるケースが見られるため)
- ビジネス存続のために出資金の一部を運営費として頂くことになるだろうが、割合は累進課税方式を基本とする。少額の出資金から多額の運営費をもらってしまっては、このシステムの本質的な思想に反する。お金持ちからはちょっと多めにもらおうという発想が望ましい。
- 出資方法はとにかく簡単に、スマホでワンクリックという感覚が望ましい。出資者に悩む時間を与えるとすぐに離脱してしまう。アマゾンのワンクリック特許の思想を反映する。
- 本や漫画には最終ページにQRコードを印刷し、それをスマホで読み取ればその著者の出資ページに移動できるようにする。これは必ずしも紙ベースの本だけでなく、電子書籍にも適応できる。むしろ違法サイトに掲載された漫画からも出資金を募れるかもしれない。
- 貢献度は寄付金の総額だけでなく、出資時期の古さや継続性など時間軸も考慮する。
- メインスポンサーとなった出資者はコミックの後ろに名前を列ねたりできる。映画のスタッフロールみたいなものである。
【追記】
クリエイター専門SNSのpixivでファンがクリエイターに金銭的支援を行うサービスが開始された。(2018.4.26追記)
「pixivFANBOX」が全クリエイターに提供開始 ファンが月額でクリエイターを支援できる - ねとらぼ
年賀状代行サービス
【背景】
この時期大いに悩まされるのが年賀状の作成である。毎年専用のソフトなどを使って写真などを加工して年賀状を作るマメな人は少なくない。その一方で最近は郵便局やコンビニなどで絵や挨拶が書かれた年賀状も販売しており、住所を書くだけで十分というところもある。とわいえやっぱりこれではオリジナリティがないと考える人もいるだろう。
【提案】
イラストレーターや画家、書道家に手作りの年賀状のフォーマットを作成してもらう。彼らはプロでもアマでもよく、値段は個別に相談する。干支や形式的な挨拶に加えて、写真やイメージ、メッセージなどの要望を伝え、それらが最適な形でミックスしたオリジナリティのある年賀状が作られる。
ボッチビジネスへの考察
【概要】
少子高齢化が叫ばれる現代にあって、シニアや外国人以外に成長が見込まれるのが、お一人様ビジネス(以下ボッチビジネスと略す)である。今後日本国内では単身世帯が増えて結婚をしない人が増加すると予想される。それに合わせて企業や店もボッチに配慮した営業形態が増えている。その例が一人カラオケや一人焼肉、なかにはソロウェディング(?)なるビジネスである(添付参照)
とはいえボッチ初心者にとってはなかなかハードルが高いのも事実である。理由は他人の目が気になったり、定員さんの対応、自分自身との戦いなどがある。企業や店側としては、いかに一人を意識させず、むしろ一人でやっててかっこいいみたいなら囲気を作ることが必要だと考えられる。
【店舗スタイル】
ある意味ボッチの理想的店舗がラーメン屋の一蘭かもしれない。いわゆる味集中カウンターである(ちなみに特許申請されているらしい)。仕切りをつけて他人の視線を注意する必要がないのは確かにぼっちに向いている。しかし閉塞感があるしスペースが狭くなる。また壁に向けて椅子を並べるのもボッチ感が強くなる。要は視線を重ならないようにし、広くスペースを作る。
- 店内を暗くする
- 視線を遮る柱や展示物を置く
- 円形テーブルや長方形テーブルで囲う座席配置にする
- リクライニングシートにする
【接客姿勢】
ボッチはコミュニケーションが難しく、接客態度の距離感は難しい。親しげに話しかければうざそうにするし、常連なのにそっけない態度には臍を曲げる。とはいえボッチビジネスにおいて(他のビジネスもそうだが)リピーターは重要な存在であり、接客はそのための重要なツールでもある。極端に親近感を深めるか、逆になくすかが重要かもしれない。
- 券売機やロボットで定員をなくす
- 可愛すぎたり美人すぎる女性店員は避ける
- 同性に接客させる
- 会員証などで名前を確認して、名前で呼ぶようにする(もちろん顔を覚えるのが一番だが)
【品質と価格】
品質と価格のトレードオフは全てのビジネスに共通する課題であるが、ぼっちビジネスにおいては極端にどちらかを高くするのがいいのではないかと考えられる。一人だから安くしたい、あるいは贅沢をしたいと思わせる。またはこだわるところはとことんこだわる一方不要であるものを見極めて切り詰める。
- ビジネスホテルは全部カプセルで良い
- 料理は見た目よりも味と値段と量に注力する
- 最低限の清潔感は必要である
- スペース活用と回転率を上げる